ディレクター日記

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2008_11_23 /

「予算はない、されどカタログは厚くなる…」

 映画祭カタログのために行われた、澤井信一郎、荒井晴彦、鈴木一誌さんによる鼎談のテープ起こしが完成。400字詰め原稿用紙90枚の大作です。
これが滅法面白い。


澤井:長回しは、ワンシーンワンカットということで、相米慎二監督が有名になったけど、彼のは「引きサイズ」のワンシーンワンカット。前面に密着するんじゃなくて、引いたサイズで役者たちを動かしている。だから俳優たちの顔も見えなくて、ある状況を写しているという感じ。それはそれで相米流になっているんだけど、神代さんのばあいは、狭苦しいところで、あっち行ったりこっち行ったりしているのが特徴だね。「寄りサイズ」のワンシーンワンカットだから、テオ・アンゲロプロス監督の思いっきり引いた堂々たるワンシーンワンカットとも違う。

荒井:絶対に構図では発想しない。人間密着。「芝居芝居」というし、リハーサルやってて、いいと思うといきなり本番回しちゃう。その場その場の面白さを選ぶ。……


 このように、現場を知りつくした理論派監督と、神代監督の現場をよ〜く知っている脚本家の言葉が満載する鼎談を刈り込むのはなんとも惜しい。ええい、全部載せてしまおうか。


2005_10_31 / コメント(0) / トラックバック(0) / 未分類

ゲスト決定!

 映画祭に駆けつけてくださるゲストが決定いたしました。

 まずは、白鳥あかねさん。神代組のスクリプターとして活躍され、時には脚本も担当。今回は、『快楽学園 禁じられた遊び』で名演技(怪演技?)を披露される女優としてお呼びいたしました。20日から21日まで出席。

 脚本家の荒井晴彦さんと映画監督の澤井信一郎さんは19日から20日の夜のシンポジウムまで出席。

 荒井さんは脚本ばかりでなく、監督としても'97年に『身も心も』を制作し、当映画祭でも上映しましたし、先頃上梓した「争議あり」(青土社)は歯に衣着せぬ映画論が満載。

 澤井さんは荒井さんと組んだ『Wの悲劇』、『恋人たちの時刻』をはじめとして、『早春物語』、、『時雨の記』、『仔犬ダンの物語』などすてきな作品をたくさん作っています。当映画祭でもぜひ特集を組みたい監督のお一人です(おっと、なみおか映画祭は今年で終わりだった!)。

 そして鈴木一誌さん。デザイナーであり、ページを開いたとたん活字の迷宮に放り出されるようなすさまじい装丁と内容の季刊批評誌「d/SIGN」(太田出版)を編集し、執筆も担当。今回の当映画祭カタログもすさまじいものができる予定です(10月23日のディレクター日記もご覧下さい)。

 19日から23日夜まで出席。なみおか映画祭の見届け人を買って出てくださいました。

 この4人による神代辰巳の監督術をめぐるシンポジウム(20日夜)は、聞き物です。お楽しみに。


2005_10_30 / コメント(0) / トラックバック(0) / 未分類

どんな映画? こんな映画

 タイムスケジュールのページを一新しました。上映作品に関するミニ紹介文を付けましたので、予告編がわりにご覧ください。

 ほとんどが、当映画祭実行委員による自分の好きな映画についての渾身の書き下ろしですから、誰が書いたかについては映画祭・交流会の席上ででも種明かしいたしましょう。
 

2005_10_29 / コメント(0) / トラックバック(0) / 未分類

宮下順子讃

 11月20日に上映する作品のうち、4本(『四畳半襖の裏張り』『四畳半襖の裏張り しのび肌』『赤線玉の井 ぬけられます』『赫い髪の女』)は宮下順子主演作品です。ディレクターの思い入れの強さがわかるというものですね。

 書店にて、ふと「アイ・フィール」秋号(紀伊國屋書店発行)を手にしたら、「聞き書き事始め」と題する特集に山根貞男さんが寄稿していました。

 山根さんと山田宏一さんによる聞き書き集『水のように夢のように宮下順子』に関する記述を立ち読みしてたら、感動のあまり買い求めてしまいました。一冊320円。今ここで全文を紹介してしまうと、著作権問題に発展するのでやめておきます。

 ただ、このシーンだけは紹介したい。

 山根さんらは宮下順子に対するインタビューをまとめ、初校ゲラを持って彼女に会いに行きます。机に向かいゲラに目を通す宮下順子。2時間ほど過ぎたころ、山根さんは何かの気配を感じ、彼女の方へ目をやると、背中がわなないている、すすり泣きの音が聞こえる。何事かと思いきや、宮下順子は山根さんらの方に振り向き、「自分のことが書いてあるのに感動して泣いちゃった」、と照れ臭そうに告げた、と言うのです。 

 その時の彼女の美しい笑顔が目に浮かびます。11月20日は、そんな彼女にたっぷり会うことができるのです。


2005_10_28 / コメント(0) / トラックバック(2) / 未分類

チケット予約受け付けます

 いやあ、なかなかしぶい色のチケットが完成しそうです(初校ゲラができたのです)。

 ただし、本サイトをご覧の方は、前売りチケットを求めて弘前までお出でになれないでしょう。そこで、ハガキでもって前売りチケットをお買い求めできる方法を考えました。

 11月10日までに書式にあるようなハガキでチケットを申し込まれますと、映画祭当日、お金と引換にチケットをお渡しするというものです。詳しくは、「チケット予約」のページをご覧下さい。

 ずいぶんややこしいではないか、ネットでもっと簡単に申し込みできないのか、とお叱りの声が聞こえてきそうですが、ハイテクを使いこなす金も手間もありませんので、何卒御容赦下さい。

 というわけで、「協賛金のお願い」のページもちょっと開けていただけたらうれしいです。


2005_10_27 / コメント(0) / トラックバック(0) / 未分類

レディのための映画講座

 いわゆる日活ロマンポルノ時代の神代監督作品を見ることに、レディたる女性はある種のためらいと苛立ちを感じるに違いありません。陵辱、玩弄、被虐、または好色、漁色、淫乱。これらの単語の響きがもたらす性差別のオンパレード。

 たしかに、すえた臭いの場末の二番館、三番館に架かるその種の映画を見るために女性一人が訪れるくらい勇気のいることはなかったでしょう。

 しかし、神代作品は間違いなくレディたるあなたを鼓舞します。ジェンダー論は、ここから始まります。

 騙されたと思って、見に来てください。


2005_10_26 / コメント(0) / トラックバック(0) / 未分類

チケット発売はもう少しお待ちを

 映画祭開催まで、もう1か月を切ってしまいました。
ところが映画祭チケットが11月5日過ぎでないと出来上がらないのです。いやはや。

 そこで、なんとかネット上で前売りチケットの申込ができるよう、スタッフ一同うんうんうなりながら方策を練っております。
もうしばらくお待ち下さい。


2005_10_25 / コメント(0) / トラックバック(0) / 未分類

再び公式カタログ

 昨日、黒沢清監督からも、当映画祭公式カタログに掲載する原稿が届きました! カタログの編集者として、こんなにうれしいことはありません。

 「神代との初期の出会い」と題する黒沢さんの原稿は、黒沢さんが高校の終わりか大学に入り立ての頃、はじめて神代作品(『濡れた欲情』『〃・特出し21人』『四畳半襖の裏張り』の3本立て)を見たときの興奮から始まりますが、そのさわりをちょっとだけお見せしてしまいましょう。

女優が裸体になることの異様なまでの思い切りのよさ、嵐のように訪れる即物的な性行為、“罪”という観念の存在しない世界観などに目を丸くし、まだティーンエイジャーだった私は「大人ってすごい」と心底思った。


 ここだけ読んでも、前に紹介した教育委員会の公式見解なるものが赤い顔して裸足で逃げ出すようなわくわくする文章ですね。
もちろん、他の執筆陣の原稿も、出来ることならすぐにでも皆さんに紹介したいほどの面白さです。

 しかし、映画祭までお預けです。まずは映画をご覧になってください。そしてゆっくりとカタログのページをめくってみてください。

2005_10_24 / コメント(0) / トラックバック(0) / 未分類

公式カタログはお勧めです

当映画祭の自慢のひとつに公式カタログがあります。
今回も作ります! 執筆陣がすごい!

 日活時代、神代作品のスクリプターをされていたいわば神代監督の戦友・白鳥あかねさん、先頃ドキュメンタリー映画『みやび 三島由紀夫』を製作監督した映画評論家の田中千世子さん、現在パリにいらっしゃる中条省平さん、そして青山真治さん、阿部和重さんから原稿をいただいてしまいました。

 どの論考も、とても魅惑に満ちた神代辰巳論です。
それに加えて、鈴木一誌さんが司会進行役となって、脚本家の荒井晴彦さんと映画監督の澤井信一郎さんとともに、神代監督の演出術をテーマに語りつくすというページも用意しました。

 映画祭にお出でになったら、何はともあれこのカタログをお買い求め下さい。

2005_10_23 / コメント(0) / トラックバック(0) / 未分類

うれしい!

 「青森市が神代作品上映にいちゃもんを付けたことに端を発して、なみおか映画祭が終結する。」このニュースが流れたとたん、たくさんの人から励ましの言葉やら、励ましのお札(さつ)やら、青森市への抗議文やらを戴き、本当にうれしかったです。

 山根貞男さんは「日本映画時評」(「キネマ旬報」10月下旬号)で次のように述べています。

 市教委の教育部長は「(神代作品の)芸術は否定しないが、地方の教育委員会が推薦 できる内容ではない。住民の理解が得られない」と語ったという。まだこんな言葉が平然と口にされるとは信じられない。しかも文化庁は神代辰巳特集という上映プログラムを前提に助成金支出を決定したというのに、である。……そもそも「推薦できる内容」とは何か。「推薦」とは何をするのか。始まってもいない映画祭について「住民の理解が得られない」とどう判断したのか。この発言からは、地方自治体の官僚が「地方」や「住民」を侮る正体が透けて見える。

この文章の内容はとても重いものがあります。

 そのほかにも、青山真治さんは、早々とboid.netに宣言文を載せてくださったし、阿部和重さんは、「文学界」に連載中の対談「シネマの記憶喪失」(11月号)で、さりげなくなみおか映画祭のことに触れてくださった。

 私はこれらの方々との映画を通じての連帯を強く意識し、神代作品の凄さを「住民」という名の幻影なんかは相手にせず、会場に来てくださった皆さんとともに満喫したいと思っています。

2005_10_22 / コメント(0) / トラックバック(0) / 未分類

神代作品13本

 なみおか映画祭が当初上映を予定していた作品は全部で22本。そのうち神代作品は18本で、日活ロマンポルノ時代のもの以外にも『もどり川』とか『恋文』、ロッポニカ時代の『噛む女』なども入ってたし、ヴィスコンティの『郵便配達は二度ベルを鳴らす』、『夏の嵐』やトリュフォーの『柔らかい肌』も上映する予定だったのです。ところが青森市教育委員会の公式発言は次のとおり。


「中世の里なみおか映画祭」は、これまで13回開催しており、旧浪岡町民をはじめ映画に関心や興味のある誰もが、上映映画の中から自分の観たい映画を取捨選択しながら鑑賞できる機会として親しまれてきた事業であると認識しております。
 しかしながら、14回目となる今回上映予定の22作品は、すべて成人映画であり、市教育委員会では、このプログラムでは、市民の皆様の税金をかけて補助するのにはふさわしくない、また、市民の皆様の賛同が得られるものではないとの判断から、このたびの映画祭には補助しないことに決定したものであり、決して映画そのものの芸術性を否定しているものではないことに、ご理解いただきたいと思います。



 どうも教育委員会担当者は、映画祭が提出した補助金申請書に載っている神代監督の日活時代の作品名、たとえば『悶絶!!どんでん返し』とか、『濡れた欲情 特出し21人』を見たとたん、それこそ悶絶してしまい、神代作品はぜ〜んぶ成人映画だろう、『柔らかい肌』も『四畳半襖の裏張り しのび肌』の親戚みたいなもので絶対いやらしいに違いない、なんて思ったのでしょう。

 そんなわけで、今回上映に漕ぎつけた神代作品は、青森市教育委員会の勘違いを尊重し、日活ロマンポルノを中心にプログラミングしてみました。ドキドキしてきますね。



2005_10_21 / コメント(1) / トラックバック(0) / 未分類

もういちど「なみおかシネマテーク」

 今回上映するなみおかシネマテーク所蔵作品は『今夜はプレミア』、『少年裁判所』、『肉』、『霊長類』、『天と地の間の人々』の5本ですが、途中入場はご遠慮下さい。ぜひともはじめからご覧下さい。

 本編がはじまる前、「このフィルムはなみおかシネマテーク所蔵作品として、なみおか映画祭が国内初公開するのだぞ」ということを堂々と宣言するトレーラーがなんとも素敵なのです。
このトレーラーを制作したのは、当映画祭でおなじみの鈴木一誌さんです。

 鈴木さんはブックデザイナーとして有名なばかりではなく(当映画祭のポスター、カタログ、チラシすべてを'02年から作っていただいてもおります)、「画面の誕生」(みすず書房)という、たぐいまれなる映画論集も出版していますが、このトレーラー制作は今のところなみおかシネマテークのが最初で最後。

 一度見たら忘れないこのトレーラーは必見です。


2005_10_20 / コメント(0) / トラックバック(0) / 未分類

なみおかシネマテーク

 11月21,22日は「なみおかシネマテーク蔵出し日」と称して、なみおかシネマテーク所蔵作品を中心に上映します。ま、予算が足りないための苦肉の策ということもあるのですが、ワイズマンの『動物園』、『肉』、『霊長類』については、リターン・マッチでもあります。

 '02年の映画祭で『動物園』の上映開始後、突然映写機が壊れ、泣く泣くビデオ上映に切り替えました。その上映中に映写機の修理を汗だくで行い、一方、修理が間に合わないことを考え、別の会場にポータブル映写機を持ち込む。結局次の上映作品『肉』はバスを用意してお客さんを別会場に案内し、会場が狭いことと大幅に時間が狂ったことへの謝罪をこめて浪岡町内から買い集めたおにぎりをお客さんに大判振る舞い。当時の浪岡町中世の館館長はなんとも太っ腹でした。

 そして、最終回の『霊長類』までにようやく映写機が直り、またまたお客さんにはバスにて移動してもらうという大変な一日でありました。
 
 その3本をもう一度見ようじゃないか、そんな意味合いを込め、22日のプログラムを組んでみました。

2005_10_19 / コメント(0) / トラックバック(0) / 未分類

キャッチ・コピー

 今年の映画祭のキャッチ・コピーは「映画は/に欲情する」。
この英語表記はというと、"Movies lust, Movies lusted" なんですが、ちょっとかっこいいでしょう。

 実は、わが十数年来の友人である弘前大学のVictor Lee Carpenter教授がなみおか映画祭のキャッチ・コピーを翻訳してくれてたのです。
「ヴィック、きみの英語はなかなかうまい」と、いつも誉めてあげてるのですけど、たとえば'99年のキャッチ・コピー「ポップコーンはいらない」は、彼の手にかかると、"Who needs POPCORN?" 。なるほど、という感じですね。

ちなみに今までの映画祭における英語表記をお目にかけましょう。

1993
「もう、辺境とは呼ばせない―映画を、発見する」
Discovering Films-- We Don't Want To Be Called Remote.

1994
「活劇の系譜―日本映画の再発見」
History of Action Movies-- Re-discovery of Japanese Films

1995
「映画・様々な視線―今日も世界のどこかで映写機は回っている」
Somewhere in the World, a Projector is Running-- Movies from Different Horizons

1996
「映画―記憶のタペストリ」
Movies-- A Tapestry of Memories

1997
「キャメラアイ―映像の行方」
The Eye of the Camera-- Traces of the Image

1998
「映画は待ってくれない」
Movies Don't Wait

1999
「ポップコーンはいらない」
Who Needs Popcorn?

2000
「映画史・映画志」
Historire(s) du Cinema, Esprit du Cinema

2001
「なみおかデケイド―ずっと映画のことを思っていた」
The Namioka Decade-- Movies are Always on my Mind.

2002
「ゴダールのいる交差点」
At the Crossroads with Godard

2003「映画という病」
A Disease Called the Movies

2004
「銀幕の誘惑」
Attracted to the Silver Screen

このうちCarpenter訳は、'96,'97,'98,'99,'01,'02,'03,'04の分。ヴィック、やっぱり、きみの英語は上手だ。


2005_10_18 / コメント(1) / トラックバック(0) / 未分類

お待たせしました

10月17日

映画祭終結宣言以来、うんともすんとも言わないなみおか映画祭は、とうとう息の根が止まったのか、と皆さん思ってたのではないでしょうか。
どっこい、なんとか生きてます。

まずは上映日程と上映プログラムをお知らせいたします。
今日を皮切りに、このページを借りていろんなお知らせをいたしますので、「ディレクター日記」というよりは、「ディレクター告知板」をよろしくご愛顧のほどを!
                                    
 三上雅通




2005_10_17 / コメント(3) / トラックバック(2) / 未分類

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